ネットでブラック業界について調べると、いろいろ出てきますねぇ~
飲食業・宿泊業・不動産業などなど・・・
こんなにいっぱい挙げられると、まず全部暗記するのが大変ですし、あれもダメこれもダメと言っているみたいですから、「結局どこ行けって言うんだよ!」となるでしょう。
そこで今回は、もっと根本に目を向けて、“どういう”業界は行ってはいけない業界かについてお話ししていきたいと思います。
断片的に「○○業界はダメ」と覚えるよりも、根本的な特性を知った方が、それまで知らなかった業界に出会ったとしても「この業界はこういう特徴があるからブラックかも」と柔軟に判断しやすいですし、単純に脳のメモリーも無駄遣いしなくて済みます(笑)。
要は、ブラック業界自体を知るのではなく、ブラック業界を見分ける“術”を身に付けた方が効率がよいです。
ですから今回は、見分ける術を身に着けるお手伝いをさせていただきたく、お勧めできない仕事の特徴を紹介したいと思います。
【ブラックな職業】お勧めできない仕事の特徴
儲からない業界(斜陽産業も含む)
根本的な事項だと思いますが、まずは儲からない業界は避けるべきです。
例えば、下請け(客先から仕事を受けること)とか原価が大きくかかる業種ですね。あとは斜陽産業です。
理由は単純で、儲からないと従業員に還元する余地がないからです。給料を上げたくたって資金がかなり限られますし、長く働かせないと商品やサービスを作ることができません。
冒頭で挙げた業種のどこがブラックかですが、まず下請けの場合は俗に言うマージンがあります。
見せた方が分かりやすいのでイメージをお見せします。
例)
客先:「100万円で頼む。」
↓
受注業者:「80万円でよろしく!」
売上100(万円)ー発注額80(万円)=20(万円)の儲け(=ここでいうマージン)
↓
さらに受注業者:「悪いけど、この仕事60万で。」
売上80(万円)ー発注額60(万円)=20(万円)の儲け
↓
さらにさらに受注業者
↓
・
・
・
最終の受注業者→受注額20万円で実際に手を動かす
そもそもマージンとは利ザヤ、小売でいう販売額ー仕入れ値の差額利益のことで、下請けの場合だと、上のイメージのように受注額よりも低い額で別の業者に仕事を発注しなければ利益(=マージン)が出ません。
そしてその別の業者がさらに別の業者に発注して、発注額もさらに低い額で・・・と言うのを繰り返すと、極端に言えば、中身は同じ仕事なのに最後にいる業者ほど儲けが少なくなる→ブラック化しやすいという理屈です。
他にも、原価が高い商売だと(飲食業で働いておられる方には申し訳ないですが)飲食業と言ったものが挙げられます。
特にチェーン店のレストランに行ってみると分かるかもしれませんが、そもそもあのびっくりするようなクオリティの料理なのに、高くても1000円前後しかしませんよね?
たたでさえあのクオリティにするのに材料費などのコストがかかるのに、それとは別にガス代とか店舗の維持費も莫大でしょう。
となると、必然的に収入(=料理の値段)に対して経費でめちゃくちゃ圧迫されるわけです。その結果、低年収になったりブラック労働になったりしやすくなります。
よくラーメン屋とか居酒屋を起業しても、維持費がかかりすぎて結局廃業に追い込まれるという話を聞きますが、まさに上記のようなメカニズムで儲かりにくくなります。
あと斜陽産業についてですが、純粋に時間が経つにつれて需要も利益も減りますから、人件費を抑えなければ(=ブラック労働を強いなければ)会社が維持できなくなり、場合によっては最終的に倒産することも考えられます。
以上の例に共通するのは、儲からない→ブラック労働を強いなければ会社が維持できない、という理屈であることです。
労働集約型の業界
会社にもかなりよりますが、労働集約型かどうかのみに着眼すればブラック労働になりがちです。
労働集約型とは人間が手を動かすのがメインな形態・ビジネスモデルのことで、例えばコンサルとか運転手のようなものをイメージしていただければと思います。
コンサルだと、(将来的にAIがどうこう話もありますが基本的には)客先の要望をくみ取ったりアドバイスしたりするという“作業”を、人間が直接します。
「要望をくみ取る」「アドバイス」だと漠然として分かりにくいですが、身近で言うと弁護士とかカウンセラーを想像していただければ幸いです。
あと運転手だと、(これも自動運転の話がありますが基本的には)ご存知のように人間がトラックとかタクシーを直接運転していますよね?
これらのどこがブラック化しやすいかですが、客先から受けた仕事が多くても、その分人間がたくさん手を動かさなければ仕事をこなすことができません。その結果、一見商売繁盛しているように見えてもブラック化しやすくなります。
私が働いている建設コンサルも、大雨による土砂崩れがきっかけで、客先である役所から多くの仕事が入りました。
ところが、その分現場調査や図面作成等の作業でパンパンになり、休日出勤までしたことがありますから、労働集約型がいかに忙しくなりやすいか肌で感じました。
零細企業
あとは零細企業ですね。個人的に、(全ての会社とは限りませんが)基本的には待遇が悪い場合が多いと感じています。
というより、下手すると買い叩きレベルで待遇が悪いこともありますね。
理由については、最初の「儲からない業界」と被りますが、儲け額自体が少ないため待遇を良くする余裕がないからです。
私の家族の場合だと、零細運送会社のトラック運転手をやっていた人が居ますが、何十年たっても月収が20万円後半な上、あまりにも人手不足過ぎて事実上有給を取ることができていませんでした。
もう一人だと、現時点で町工場のパート社員をやっている人が居ますが、正社員でさえ月収がパート同様に18万円台しかもらえず、月1回必ず土曜出勤もあります。
さらに、(これから会社が大きくなるならまだ望みはあるかもしれませんが)特に何十年も零細企業のままだと、そうなる理由があるので、なおさら怪しいです。
派遣・パートなど(非正規)
もしかすると「派遣とかパートの方が時短で楽じゃん?」「給料なんかどうでもいいからとにかく短時間労働がいい」という理由で、派遣などの非正規に入ろうとお考えかもしれません。
ところが私としては、楽そうという理由だけで非正規に入るのは論外ですね。
例え、上記のように「儲からない業界」「労働集約型の業界」に該当していなくても、非正規雇用なだけで全部ぶち壊しになるでしょう。
周りの人の体験談を何件も聞く限り、正社員をリターンだけ削り取った働き方だと感じたからです。
先ほどの家族の例だと、町工場のパートだけでなく派遣社員や契約社員まで、何社も非正規雇用を経験したところ、
・労働時間は1日8時間のフルタイム
(フルタイム以外の契約でも可能ですが、それだと月収的に生活すらできなくなります)
・仕事だけ正社員以上にきつい
・ロボットのように使い捨てられる
・ボーナスがないせいで、年収が正社員よりも大きく下回る
・会社の経営が悪化しようものなら、特に派遣は真っ先にリストラ対象
と散々な目に遭ってきたとのことです。
以上のように考えると、潔く正社員を目指した方がお得だということが伺えます。
関連記事:「正社員はそんなにいいか?」→あぁ、死んでもなるべきだから
最後に:私がお伝えしたいこと
ということで、逆に割に合いそうな仕事ですが、ずばり本記事で挙げた特徴とは逆の仕事ですね。
つまり、利益率が高くて斜陽産業でない、労働集約型でない業界です。
大前提として、非正規ではなく正社員、かつ中小企業でもある程度の規模がある会社への入社であることですが。
特に1番目の逆である「利益率が高くて斜陽産業ではない業界」がよく、さらに労働集約型でなければなお望ましいです。
だから、インフラ業界とか化学業界がホワイトだと言われているわけですね。
なお、ブラック業界を見分けるポイントとして、なぜブラックになるかを知った方が効率よく見分けられるでしょう。
それこそ今回紹介したように、儲からない→従業員に還元できない→ブラック労働になる、といった具合で、理由を知る・あるいは意識するほうがよいでしょう。
よくネットで挙げられるように、「○○業」とか「ブラックな業界○選」と言ったように、断片的な知識だとまず暗記するのが大変ですし、もし運悪くその「ブラックな業界○選」に挙げられていない業界で実はブラックだったらどうする?、という話ですよね?
ですから、その業界がブラックあるいはホワイトになる理由・背景を知ることで初めて、「○○業はブラック」という情報を漁るべきと言えますね。
最後に一つアドバイスですが、仕事を探すときはできれば転職エージェントを使った方が良いですね。
個人的に一番大きかったのですが、手厚い転職サポートが付いている分、転職活動が上手く行きやすくなったり転職活動に伴う不安も一気に和らいだりしやすいです。
私が使ってみて気が付いたのですが、今の経歴やスキル的にどう対策すれば転職しやすくなるかについて細かくアドバイスしてくれましたし、応募書類の添削や面接対策もありまして、例えば知らずにやっている自分の悪い癖についても教えてくれるなど、やはり懇切丁寧です。
そしてもう一つですが、ホワイトな待遇の求人に出会いやすいですね。
そしてどうしてホワイトな会社に出会いやすいかですが、そもそも民間の求人媒体であるため企業側にとって求人を出すのに手数料がかかるのですが、逆に言えば手数料を出せるだけのしっかりした会社が集まりやすいからですね。
これも私自身が使ってみたのですが、むしろ見るからにブラックな待遇の会社を見つける方が大変でした。
しかも先ほどの転職サポートも含めて無料で使うこともできますから、仕事を探すときはできれば転職エージェントを使った方が良いわけです。
それでは今回は以上となります。