ネットなどでよく「資格なんて意味がない」なんていう意見を目にしたことがありますが、資格が役に立つシーンも割とあるでしょう。
特に、業種によっては(建設系の業種等)その資格を持っている人を必ず配置しなければならない場合もありますから。
ですから、応募する業種によっては引っ張りダコの場合だってあるわけですね。
ただ、全面的に資格が役に立つかと言いますとそうではないですし、資格が不要な業種もそれなりにはありますから、転職などで単にスキルをアピールしたいのであれば、そこら辺の民間資格を取るよりは実績を積むことに力を入れるべきです。
ここまで言うと、「結局さぁ、役に立つ派なの?役に立たない派なの?どっち??」という反論もありそうですが、結論から言いますと、どっちというより、「資格はあくまで手段」ですね。
という事で今回は、「資格は無駄」が半分嘘である理由について解説していきますので、これから転職しようとされている方々にとって、無駄に資格を取るだけにならないための助けとなれば幸いです。
「資格は意味ない」の本当の意味(半分嘘である理由)
取得が目的だと無駄
本当に無駄なのは、取るの自体を目的にすることですね。
そもそも資格と言うのは、法的にその仕事ができるようになるため(医者、弁護士等)、あるいはそのスキルがあることを証明する手段(TOEIC等)のはずですので、そもそもの分野が無関係だと意味がありません。
大学時代等で、よく家族が資格資格うるさかったことはなかったでしょうか?
「とにかく資格取れ」
「何でもいいから資格があれば、面接で話すネタにもなるから」
と言った具合で。
ちなみに、これらの例は全て私が言われてきたことでして、感化されて英検を取ったことがあります。(2級でしたが・・・)
ところが実際に就活してみると、あまりにも分野が関係なさ過ぎて、面接で英語スキルがアピールできないどころか、話すネタにすらなりませんでした。
しかも会社に就職してみても、やはり仕事でも英語を使ったことなんてありませんでしたし、話すネタにもならず他の社員の反応は「ふーん・・・」というような感じでしたから。
以上のように、ただ何でもかんでも取るだけだと、ただの自己満足になるという意味では「資格は無駄」と言えます。
ここで勘違いしていただきたくないのは、英検自体が役立たずという事ではなく、仕事の分野が関係ないから適合していない、というだけです。
民間資格だと意味ないことが多い
あとは、民間資格だと無駄なことが多いです。
そもそも企業のような民間団体とか協会が独自で作ったもので、法律に基づいて作られたわけではないですから、有名なものはともかく、そこら辺の知名度が低い資格だと無駄になる事がありますね。
これがもし国家資格であれば、業種によっては法的にその資格保有者が必要な場合もありますし、面接でも喜ばれる場合もあります。
ところが民間資格だと、一般的にはその民間団体等が独自で作った「この検定試験に受かったことを証明するよ」という認定制度のようなものですから、応募先の企業もあまり喜ばないこともありますね。
特に、そこら辺の知名度の低い誰でもすぐ取れるような民間資格だと、面接でアピールしても「趣味で取ったのwww?」と相手に思われるだけでしょう。
もちろん、民間資格全てが無駄とは言いませんし、有名なものであればスキルの証明にもなりますが、もっというと民間資格よりは国家資格の方がよりアピールできるでしょ?という話です。
結構いい手当が出ることもある(「半不労所得」でもある)
国家資格限定の話ですが、月額で手当てが支給されることも多いですから、この意味では資格は無駄とは言えません。
しかも、数千円とかそのレベルだけではなくて、それ単体あるいは複数持っていると万単位で月々の給料にプラスされることも多いですから、その意味では「不労所得」のようなものですね。
それとは別に、合格一時金で数十万円が一気にもらえることだってありますからね。
厳密には民間資格でもそういう手当が出るかもしれませんが、基本的には、業種によっては法的にその資格を持っている人がいないといけない場合もありますから、企業側にとっては手当を出してでもその資格保有者が来て欲しいわけです。
参考までに、私が勤めていた建設コンサル会社だと、技術士を取ると手当が3~6万円/月出ましたね。
最大で6万円も毎月入ってきますから、もし元々の月収が24万円くらいであれば、技術士を取るだけでいきなり30万円です。
しかも、下手に残業したり副業したりしなくても6万円入ってきますから、もはや半不労所得状態です。(もちろん、欠勤すれば手当も減額されますが)
それどころか、技術士に合格すると、手当とは別に合格一時金として数十万円も支給されることになっていましたし。
そもそも建設コンサルの登録には技術士を持っている社員が必要ですから、それだけ重宝されているという事です。
転職でスキルを証明する手段にはなる
これは特に今の会社を辞めたい方向けですが、資格があると転職の時にスキルを持っている証明をする手段になります。
そもそも就活とは違って、転職だとスキルとか実務経験重視ですからね。(もちろん、志望動機とか人柄もそれなりに見られますが)
私も、転職活動当時は、まず求人を漁るとそのスキルとか経験が推奨か必須なものばかりでしたし、あと面接を受けてみると、
「○○の業務経験はないの?」
「○○部門の資格があれば一発で採用だったけどなぁ・・・」
などと言われたこともありますからね。
そのスキルを証明する手段の一つが資格です。
実務経験を証明するのもありなのですが、資格の方が証明書もありますし、「○○合格です」と伝えるので過去の事実を改ざんして伝えようがないですから、れっきとした証拠になります。
そして、スキルを証明することができれば、今の会社が嫌であればいつでも辞められる状態になりますから、ウザい上司がいても「いつでも辞められるからいいか。」という感じで気持ちが楽になります。
ただ、あくまで資格取得は「手段」で目的は企業にアピールすることですから、代わりに実務経験を伝えるとしても、正確で真実かつ採用担当の心を動かすことができれば、わざわざ資格をアピールする必要はないわけです。
ところが、この「手段」と「目的」が逆転してしまえば、それこそ「資格は無駄」ということになるわけです。
最後に:資格はあくまでアピールのための手段
という事で以上、「資格取得は無駄」が半分嘘である理由について解説していきました。
前述の通り、本当に無駄なのは、ただ多く資格を取るだけなことですね。
就職や転職のときに企業にアピールできなければ意味がありません。
私も家族に感化されて、英検とか環境関係の資格にまで手を出したことがありますが、分野があまりにも関係なさすぎて、その後の入社では全く別の知識を詰め込む作業が発生しましたから二度手間でした。
ですから、資格は取ったはいいが入社に有利にならないと意味がないわけですね。
逆に言えば、転職などで実務経験がアピールできるのであれば、資格ではなくて現職などで実績を作る努力をする方が時間効率が良いです。
したがって、あくまで「アピールの手段の一つ」という意識を持って、資格取得を検討するべきですね。
それでは、今回は以上となります。