会社にいると中にはこんな上司に出会ってしまったことはないでしょうか。
・午前は2時間くらい、午後も2時間くらい、そして定時後は1~2時間と説教で拘束される
・「なんで?」攻撃→理由を答えると「またそれ?」「言い訳するな」→「なんで?」攻撃
・無理やり落ち度を見つけ出しては何時間も説教
という上司に出会ったことはないでしょうか。
ちなみに上の事例について、私はすべて経験しています。
当時は、「仕事に不慣れな私も悪かったので、長時間怒られてもしようがない」と思っていました。あとは、そもそも当時やっていた業務自体が自分には向いていないのではとも思っていました。
ところが、別の会社へ転職してみたところ、実は部下よりも指導する側の方が問題があると分かりました。
どういうことかといいますと、転職してから説教されることはなくなりまして、同じ分野の仕事をやっているのにスムーズにできるようになりましたし、逆に前の会社に居た時の方がミスが多かったような感じです。
このことから、説教されたとしても、即座には部下の怠慢だとは言えないと思います。
今回は、
・説教が生産性を落とす理由
・説教上司への対策方法
について紹介していきましょう。
あわせて読みたい:「上司による説教ねちねち・暴力」私が考えるクズ上司への対処法
上司のしつこい説教が生産性を落とす理由
部下を指導する目的と手段が逆転
まずは、部下を指導する目的と手段が逆転しているからだと考えます。
そもそも、その成果を上げられるようにするのが目的で、部下を怒るのはあくまで手段の一つのはずです。
ところが、私が今まで出会ってきた説教上司を見てきた限り、説教が目的のように見受けられました。単に、部下である私をサンドバックにすることのみが目的のようでした。
どういうことかといいますと、何とかミスや粗を探そうとし、それを見つけては何時間も説教していました。
例えば図面作成をしていましたが、少し数字を間違えていたり図の見た目が間違っているだけで、しつこく「なんで?」と尋問してきましたし、「社会人とは○○というもの」などと人生論にまで発展したことも多くありました。
あるいは、仮にその作業でミスをなくすことができたとしても、今度は別件で何とか落ち度やミスを見つけては説教、といったことも良くありました。
確かにミスをした私に落ち度はありますが、「この数値が違うから直して」とだけ言えば済む話にもかかわらず何時間も説教をしていたので、部下を教育するというよりは単に説教をすることのみが目的のようでした。
少なくとも、客観的に見る限りだとそのように見受けられました。
純粋に説教の分だけタイムロス
次は、単純に考えて説教の時間分だけロスが発生することです。
前述のように、何時間も拘束されるわけですから、その間に手が止まります。
ちなみに私は、冒頭の通り、午前が2時間程度、午後も定時までが2時間で、定時後も1~2時間と説教されたことがあります。
この合計の5~6時間分が、説教のせいで無駄になってしまう上、上司と私の二人分の手も止まりますので、実際は無駄がもっと増えますね。
しかも納期もギリギリになってしまい、そのことでも説教されましたが、正直「あんたのその説教が原因だよ」と思ってしまいます。
余談ですが、納期がギリギリになっていた頃の月ですが、説教のおかげで残業時間が60時間を超えていました。
残業代だけで10万円を超えて稼げましたが、このことから説教は時間どころか人件費すら無駄にするということが伺えます。
相手を萎縮させるだけで、発揮する能力に悪影響を与える
最後は、相手が無駄に萎縮してしまい、能力が発揮しにくくなることです。
スムーズに仕事をこなしても、難癖を付けては説教、不明点を聞こうとすると説教、かといって自分で調べようとすると「なんで聞かなかったの?」と説教・・・
これでは萎縮してしまい、説教されないようにしか行動できなくなります。
そして、不明点の確認などがあっても上司には近づくことすらできませんし、成果物の完成よりもどうでもいいところまでミスがないようにするようにしてしまうため、常に緊張感が生まれます。
常時緊張すると、常にそこだけに注意が向き、全体には目が向かないのでミスが生まれやすくなります。
ところが、説教をしてこない上司の下で仕事をすると、なぜか仕事がはかどりますし、知識もボコボコついてきます。
少なくとも成果物には問題がなかったようですし、逆に予定よりも仕事が進みました。
説教にばかり気を取られなくて済んだ証拠でしょう。
ですから長時間の説教は、部下の指導という範囲を超えて、逆にパフォーマンスを落としてしまうことが伺えます。
説教ばかりする人に疲れている人へ:対策法
正攻法:転職
それではネチネチ説教してくる上司への対策ですが、正攻法でいくと会社自体を変えることです。
要するに、転職が一番の対策と言えますね。
部署異動でもよさそうですが、部署異動だとそもそも会社の意向にも左右されるほか、しばらくすると問題の説教上司も異動で移ってこないとは限りません。
ところが会社自体を変えてしまえば、会社ごと説教上司と完全にお別れすることができる上、自分の裁量で環境が変えられます。
なお「嫌な人なんてどこでもいるよ」という意見もありますが、少なくとも今いる上司は居なくなりますし、次の職場に転職しても、そういう嫌な人の下で働くとは限らないです。
しかしながら、転職となるとリスクがそれなりにありますし、踏み出しにくいと思います。
よりリスクの少ない方法
そこで、より手早くリスクも少ない方法であれば、まずは人事への相談がよいと思います。
(上司自身はブラックでも)会社自体がまともであれば、意外と相談に乗ってくれますし、その人事が問題の上司とグルかどうかも分かります。
少なくとも私の場合、予想以上に親身になってくれましたし、「上司の言動を我慢しないあんたが悪い」というような主張もしてこなかったですし、(説教ではなかったのですが)パワハラをしてくる上司とは一緒にならないようにすると言ってくれました。
もう一つは、パワハラの酷さによっては弁護士の方がよいでしょう。
1時間5千円などと相談料は安くはないですが、何よりも完全に会社との利害関係がないですし、専門家なので一般人よりは的確なアドバイスが得られます。
私も、今までは上司からハラスメントまがいの行為を受けても、当時は無知だったので「自分が悪いし、当たり前だ。」と受け入れていましたが、弁護士の意見を聞いたところ、受けた行為が実は法的に問題があると知って、目を覚ましました。
終わりに
色々とお書きしてきましたが、結論としては、上司による説教はかえって部下の能力を発揮しにくくするということだけは言えるでしょう。
何よりも、結果的に指導どころか単に相手をサンドバックにしているだけですし、部下も「頑張ろう」と思うどころか無駄に萎縮するだけで、場合によっては反感すら持つからです。
ですから私としては、説教をされたからと言って、そこまで「自分は無能だ」と気に病む必要はないと思います。
少なくとも私は、同じ分野の仕事をやっているのに、説教しない上司の下で働くようになった途端にサクサクと仕事が進むようになったうえ、予定よりも作業が進んでいました。(上司本人の発言より)
したがって、上司自身の指導(あるいは会社自体)に問題があるから説教→生産性も落とすという事態に陥るわけで、少なくとも即座には部下に落ち度があるとは言えないと考えます。
今回は以上となります。