職場によっては産業医との面談もありますし、特にパワハラに悩んでいる場合だと
「よっしゃ、これでお悩み相談ができるっ!!」
と思ってしまいがちですが、まず産業医との面談だけだとパワハラの解決は厳しいでしょう。
特に、産業医と問題の職場とグルになってしまった場合、本当に役に立たなくなってしまいますからね。
私の場合だと、まさに職場側とグルになった状態でしたし、面談をしてみたところ
「我慢しない方が悪い」
的なことを吐き捨てられましたからね。
ですから、私たちができる根本的な解決方法としては、やはりその職場から逃げることだと言えます。
というのも、そもそも産業医というのは職場と取引関係があり利害関係があるわけですから、産業医個人というより構造的にグルになりやすいです。
ですから、産業医に限らず少しでも利害関係のある相手にパワハラ相談をしてしまうと、親身に相談に乗ってくれるどころか、場合によっては逆に被害者のせいにしてくる恐れがあるわけですね。
というより、グル云々以前にパワハラ問題がなければ、こういう「誰に相談する?」という話も出ないはずですから、そもそも環境自体から逃げるのが一番と言えます。
ただ、いきなり逃げるのはハードルが高いでしょうし、すぐにできる他の対策はないか?という話も出そうなので、すぐにできる対応策も含めて今回は具体的に解説していきたいと思います。
産業医面談が意味ないと感じた時にすぐできる対策
職場の人は連れて行かない
まず、会社とグルとかそういうことに限らずですが、職場の人は同席させない方がよいです。
特に、会社から産業医との面談を命じられた時に、「上司と同行しますか」的なことを聞かれるかと思いますが、できる限り自分一人で面談に行くべきです。
というのも、その上司が職場側にとって有利なことをいう恐れがあるからですね。
特にパワハラ加害者かそのさらに上の上司だと、被害者の落ち度とか欠点ばかり探して、いかにも被害者を「我慢できないわがまま」っぽく見せてくる恐れがあります。
私も加害者のさらに上の上司と産業医面談に同行したことがありまして、最初は私と産業医、次はさらに上の上司、そして最後は私とさらに上の上司と産業医という流れで面談をしました。
最初こそ産業医自身もハラスメントの相談内容を親身に聞いてくれたものの、最後に3人で面談した時は、産業医から
「組織で働く以上、揚げ足を取られようが我慢しないとどこでもやっていけない」
的なことを言われましたから。
あくまで推測ですが、2番目の上の上司が面談した段階で、被害者側の粗探しをしていたでしょうね。
という事から、少しでも会社とグルにさせないためにも、職場の他の人は同行させない方がよいと言えます。
医者・弁護士など完全に第三者と相談
相談先として理想なのは、完全な第三者機関ですね。
産業医以外の医者とか弁護士など、本当に職場と関係のない第三者に相談するとよいです。
産業医とは違って会社との利害関係はないのですから、パワハラ問題があったとしても会社側に有利な立ち振る舞いをする恐れは通常ありません。
ですから、万が一産業医と会社がグルになってしまったとしても基本的に関係ありません。
私もかつて弁護士と相談したことがありますが、「貴方だって悪いんじゃないの?」と言われるかと思いきや、完全に私の側に立って相談を聞いてくれましたし、裁判例を提示して法的に無効になる事項まで教えてくれましたから、予想外な思いをしました。
特に、弁護士と言うのは利益相反防止のために、法的に職場側と労働者側との一方としか契約・取引できないので(要するに両方は禁止)、より安心して相談することができます。
ただ、相談したからといって、よほどのことがなければ加害者がいなくなるわけではありません。
場合にもよりますが、完全な第三者というのは、当たり前ですが通常は「こいつをクビにしろ」と介入する権限がないですから。
そして、例えば身体にまで症状が現れているとか残業代未払いのような比較的大きな事案でない限り、料金もそれなりにかかりますからコスパ的なデメリットはあります。
しかも、仮に普通のパワハラ程度で弁護士を巻き込もうとしたとしても、かえって火に油な恐れもあります。
過去に私も、加害者側に弁護士との相談をちらつかせたことがありますが、
「そんなことしたって無駄だ」
「今後は弁護士に相談するとかしない方がいいぞ」
などと逆上されたこともありますから、やはりより大きな事案でないと真価は発揮できないでしょう。
根本的な解決策:その職場から逃げる
冒頭でも申し上げましたが、問題の職場から逃げるのが一番根本的な解決策と言えます。
自分の意志でその加害者と完全に別れることができますし、会社とグル云々以前に相談自体する必要がなくなります。
例えば私は、過去に現場仕事をやっていましたが、メンバーの再雇用社員にいちいち揚げ足を取られたり人前で大声で罵倒されたりしてきました。
そして、まずは前述のように産業医に相談するまでに至ったのですが、結果は先ほどのように「我慢しろ」と言われただけでした。
また、完全に第三者である家族にも相談してみましたが、確かに完全にこちら側の味方になってくれたものの、当たり前ですが会社側の運営に介入する権利はないですから、加害者はそのまま在籍したままでした。
そこで思い切って会社を辞めたことで、物理的なレベルで加害者と接触したりハラスメントを受けたりすることはなくなりました。
なおここで、「そんなこと言ったって、別の職場にも似たような奴がいるかもしれないじゃん?」という話も出そうですが、まずその加害者と別れられることは確実ですし、今までの転職経験でも、どの業界でも均等というわけではなく、傾向ならありましたからね。
例えば、
現場仕事はここがきつい!入社しないほうがよい理由を経験者が解説
でも解説しているように、現場仕事が多い会社の方が怒鳴る系のパワハラが多いという傾向があると分かりました。
ですから、業界ごとの傾向を知ることで、ここでいう「似たような奴」に出会う可能性を減らすことができるでしょう。
最後に
ということで、産業医が会社とグルだった場合の対策法について解説していきました。
まとめると、
・根本的な策は、職場自体から逃げること
・最低でも、完全に第三者(弁護士など)に相談するか、産業医と自分とだけで面談する
というのが対策法です。
冒頭のように、産業医と職場とは利害関係があるわけですから、グルになる可能性もあるにはあります。
しかも、本当にグルになってしまえば、被害者を守ってくれるどころか逆に敵に加担することになりますからね。
ですから、そういう「敵への加担」を減らすべく、完全に職場と利害関係のない人と相談するか、最低でも、産業医面談をする場合は職場の人を同席させない方がよいです。
また、そもそもハラスメントの悩み自体がなければ、誰に相談するというような話もなくなりますから、一番なのはその職場の環境から逃げることですね。
誰であろうと、相談することによって通常は加害者がいなくなるわけではないものの、その職場を辞めることができれば、少なくとも今いる加害者とは確実に分断させることができますからね。
ということで、今回は以上です。