まともな会社であれば、正社員の方が、責任は重くても待遇が非正規より良いのが普通でしょう。
ところが、正社員なのに待遇だけパートと同じくらいの会社も多いです。
そして結論からですが、そういう会社には長くいるべきではありません。
非正規よりはクビになりにくいだけで、それ以外は正社員であるメリットだけ消されているようなものですから。
私が知る限り、何十年も小さいままの会社にそのような傾向が多いですし、何か理由があるからいつまでも大きくなれません。
つまり、いつまでも大きくならないということは、待遇の改善が見込めず一生ブラック労働の恐れもある、ということですね。
ということで今回は、正社員がパート並に買い叩かれている会社は辞めるべき具体的な理由について解説していきたいと思います。
正社員の待遇がパートと変わらない職場にいても危険な理由
そもそも儲からない業界
そもそも、その会社が属している業界が儲からない業界であることが多いです。
でも解説していますが、その会社が利益を出すことができていないと、物理的に従業員に還元しようがありません。
例えば下請けがその一つでして、そもそも発注する際、当然ながら発注者(=客先)自身の売上よりも低い額で発注しなければ、発注者側が倒産してしまいます。
発注者自身の年間の売上を100億円とすると、通常は100億円を超えて他の業者に仕事を頼めませんよね?
逆に言えば、下請け業者が稼ぐと、その客先はもっと稼いでいることになります。
ですから、構造的に発注者によるピンハネを受けやすくなりますし、場合によっては薄利多売まで強いられてしまうことがあります。
でも書いてある通り、私の家族が大手メーカーの下請けの町工場で働いていますが、昭和時代から何十年もちっぽけなままです。
しかも、事業所も何十年も同じ市内にしかありませんから、まさに利益率が低すぎる商売であることが読み取れます。
昇給は望めない
「そうは言ったって、出世すれば給料はそこそこ多くなるでしょ?」という疑問が出てきそうですが、それは期待できないでしょう。
ない袖は振れませんので、会社が儲からないと、それまでの待遇はおろか、昇給すら見込めません。
言い方が悪いですが、ただでさえ従業員の給料というのは莫大な固定費なのに、その固定費を上げてしまったら、会社にとっては余計にカツカツになってしまいます。
私の家族ですが、働いている職場には部長とか役職者がいないようです。
ほとんどが正社員だが平社員、あるいは非正規だそうですね。
よく電話でその家族とお話しますが、「給料が安い」と愚痴ってくる家族に対して、「そんなに給料安いなら偉くなればいいじゃん?」とふざけ半分で答えたところ、「そもそも会社自体がケチすぎて、給料を上げようとしない」なんて返事をしていましたから。
そういう職場だと、仮に出世できたとしても、仕事は何倍もキツくなるのに給料はほんの少ししか上がらないでしょうから、昇給の期待はまずできないでしょう。
経営が間違っている可能性大
儲からない業界に属しているだけでなく、経営自体が間違っていることも考えられるわけですね。
要するに、業界は儲からない+経営はおかしいのダブルパンチもあり、会社側の収支はカツカツ→従業員へのしわ寄せも促進されてしまうわけです。
経営が下手というのは本当にいろいろありすぎて紹介しきれませんが、一つだけ例を挙げますと、取引先に舐められていいように使われてしまうことですね。
要するに、ギリギリ赤字になるかどうかの案件だろうが、客先が提示する条件を何でも呑もうとするがために、客先から「この業者は安くつかってもいいんだな」と判断される結果、いつまでも利益が出せないという理屈です。
私の家族も、前述のように大手メーカーの下請けの町工場で働いているわけですが、職場は何十年も中小企業のままです。
そして、属している業界だけでなく相手の要望を何でも呑み込もうとするのも、会社が小さいままである原因かと想像しています。
特に、客先は大手メーカーでお金もたっぷり持っていますから、基本的に何としてでも取引を維持したいわけです。
ところが、その「何としてでも取引を維持したい」というのが行き過ぎるがために、大手メーカーから「安く発注してもいいんだな」と判断されて、結果的に割に合わない案件ばかり受注するようになっているのだなと想像しています。
一生ブラック労働かリストラされるかの二択
「といっても正社員だぜ?待遇はパート並みでも生きるのには困らないだろ?」という意見もありますが、結論から申し上げますと、間違いなく生きるのには困るでしょう。
金銭面だけで見れば困らないかもしれませんが、それ以上に一生ブラック労働、あるいは途中でリストラされるでしょうし、この時点で生きるのには困ります。
まず前者の場合、正社員なのにパート並の待遇=ブラック労働という事ですから、この時点で健康を害します。
しかも、前述のように会社がいつまでも小さいままという事は、そこから先もパート並みである正社員の待遇が改善することは無いでしょうし、一生会社側に搾取され続けてしまうでしょう。
となると、先ほどの「健康を害する」というのがさらに蓄積され、最悪の場合は早死にする恐れもあります。ここでいう「早死に」には、過労死だけでなく自殺も含まれます。
あと後者の場合、「45歳リストラ」などとよくネットで話題になっていますよね?
黒字リストラなど色々事情はありますが、共通するのは人件費を削減するためにリストラをするわけです。
ですから、儲からない業界でいつまでも小さいままの会社だと尚更危ないです。何しろ、いつ潰れるか分からない状態ですから。
となると、定年まで働けるどころか、業績悪化で途中で追い出されることもあり得るわけです。
しかも、転職できるならいいのですが、リストラされる頃には中年のおじさんになっているでしょうし、その状態で正社員でそこそこホワイトな職場は、(場合にもよりますが)基本的には見つからないでしょう。
ということで、前者・後者どちらに転んでも、「生きるのには困らない」という状態からは程遠いという事が分かります。
パート並みに買い叩かれない職場の見つけ方
ということで、「じゃあどうすればパート並に買い叩かれない会社が見つかるの?」という疑問への回答ですが、何といっても「儲かる業界」を探すことですね。
儲かる業界の見つけ方ですが、結構場合にもよりますが、例えば
・無形商材(IT、web、コンサル等)
・下請けではない(最低でも2次・3次の下請けではない)
業界を中心に探すとよいでしょう。
でも解説していますが、無形商材であれば原価がかからず、売上の多くが利益になりやすいですし、下請けでなければ発注者にピンハネされないので、やはり売上に対する利益の割合が多くなりやすいです。
要は、共通事項として「利益率が高い」わけですから、利益率を意識して会社を探しましょう。
ちなみに、私が働いている建設コンサル業界ですが、月給は20万円を超えますしボーナスも5~6か月分出ていましたから、いかに業界レベルで利益率が高いか実感できます。
あとは、入社しようとしている会社がいつまでも小さいままだと危ないです。
理由は、先ほどのように「儲からない業界に属している」など、何十年間も大きくなっていない何らかの理由があるからです。
それこそ前述のように、一生ブラック労働か途中でリストラされる恐れもあります。
ですから以上のように、
・儲かりやすく、利益率が高いか?
・何十年も会社が小さいままではないか?
を見るべきです。
最後に
という事で以上、正社員なのに待遇がパートと変わらない会社にいるのが危険な理由について解説していきました。
パートと待遇が変わらないという時点で、正社員のメリットだけを消し去っているようなものです。
そして何より、待遇が悪いという事はそれなりの理由があるという事ですから、数十年後かは分かりませんが、会社が倒産してリストラされる恐れすらあります。
リストラの恐れがある時点で、もはや安定でも何でもなく「名ばかり正社員」です。
ですから、名前だけ正社員で中身はパートと変わらない職場にいるのであれば、若いうちにもっとまともな別の環境に変えることをお勧めします。
最後に一つアドバイスですが、仕事を探すときはできれば転職エージェントを使った方が良いですね。
というのも、まず一つですがホワイトな待遇の求人に出会いやすくなるからです。
理由ですが、そもそも民間の求人媒体であるため、求人を出すのに手数料がかかるのですが(逆に私たち求職者にとっては無料です)、逆に言えば手数料を出せるだけのしっかりした会社が集まりやすいからですね。
私も実際に使ってみたのですが、むしろ見るからにブラックな待遇の会社を見つける方が大変でした。
それからもう一つですが、手厚い転職サポートが付いているので、転職活動が上手く行きやすくなったり転職活動に伴う不安も一気に和らいだりしやすいです。
これも私が使ってみて気が付いたのですが、例えば行きたい業界に行くには今の経歴やスキルを踏まえてどうすれば転職しやすくなるかについてアドバイスしてくれましたし、応募書類の添削や面接対策もありまして、例えば「そういう答え方は悪印象だから、こう答えた方が良い」と代替案を出すなど、やはり懇切丁寧です。
しかもこの転職サポートも含めてタダで使うこともできますから、できれば転職エージェントを使った方が良いわけですね。
それでは、今回は以上となります。