仕事を辞めたいが次にしたい仕事が分からないときにやってしまいがちなのが
・学生時代とか前職を振り返って自己分析
・どの業界や職種があるか研究
でしょうし、ネット上でも上記のようにしろという意見が検索結果によく出てきます。
確かに、自己分析も業界研究等もやった方がなお効率よく仕事を探せますが、私個人としては何だか本質からずれていて、何よりの目的である「長く不満なく働ける」とそのための手段が反対になっているような感じがする次第です。
実際に私も、自己分析して何とか「自分の性格とか過去の経歴に合いそうな仕事」を見つけたものの、無理やり見つけた仕事だったため、まず入社前に「ん?」と感じましたし実際に1年程度で辞めてしまいました。
そこで一つ抜けていた点、それが本題の「働き方」というわけですね。
具体的には、
・週1回でもいいからリモートワークがしたい
・土曜出勤はしたくない
・体育会系の会社は嫌
といったものですね。
当時は、前職の経験とか自分の性格など表面的な軸で選んでしまったためにすぐ辞めてしまったわけで、目的である「どう働きたいか」については二の次にしてしまっていたのです。
ということで今回は、興味のある業界や職種がない場合は「働き方」を重視すべき理由について解説していきたいと思います。
仕事辞めたいが何がしたいかわからないなら働き方を重視すべき理由
行ったこともないのに自分の興味なんて分かるわけがない
まず、その業界とか職種に行ったことがないのに「自分がやりたいこと」かどうか分かる?という話です。
例外もあるかもですが、実際にその仕事をやってみないと分からないでしょう。
よくイメージでアニメ業界とか美容業界に入ったら実は違ったというような話を耳にしますが、ある意味起きてもおかしくはなくて、入社してみないと情報が限られるでしょ?という話です。
私もありまして、過去に新卒で建設コンサルタントに入ったことがありますが、当時は研究関連の職種に入りたかったこともあり、入社前は「研究室があって実用化の研究をするのかな?」と期待していました。
ところが実際に入社してみて初めて、実は客先から案件を受注して納品するITエンジニアに近い働き方だと分かりました。
というような感じで予想外な思いをしましたから、興味なんてその仕事をやってみないと分からないということが言えます。
誰かに持たされた興味では無理がある
場合によっては「○○業界に行けば?」と言われて流されるかもですが、それは結局誰かにそうさせられたよね?という話です。
どういうことかと言いますと、例えば家族から「○○業界に行けばいいじゃん?」と言われて無理やりその業界に興味をもったとしても、それは心から興味があるの?という話です。
そりゃぁ、本当は興味のある業界自体が分からない状態ですから、前述のように「イメージと違った・・・!」なんて事態に遭いやすくなるわけです。
そして、誰かから強制されているだけだと、面接でアピールするにも不利になりやすいです。
私も転職活動当時、家族から「施設検査の仕事に行けばいいじゃん?」などと言われ、本当は行きたい業界かどうか分からず(むしろあまり行きたくない)に、応募書類を送っては面接まで至ったことがあります。
そして案の定、いまいち熱が入らず一般論ばかり話してしまい、例えば「御社の仕事を通して世の中に貢献したい」的なことしか話せませんでした。もちろん、選考もボロボロ落ちました。
ですから、面接でのアピールという意味でも心から興味があるとは限らないという意味でも、誰かにやらされての意思決定には無理があります。
過去の実務経験だけを軸にして選んでも意味がない
興味がある仕事が見つからないのであれば、とりあえず過去の実務経験を基に選ぶこともあるでしょう。
確かに、転職というのは何ができるかも重視されますし、経験があった方が選考に有利です。
ところが、経験「だけ」で選ぶとなると別で、仮に入社できても働き方とか職場環境が合わないとすぐ辞める恐れがあります。
それこそ、またニート堕ちするリスクを負いながら転職活動をしないといけなくなりますから、「とりあえず経験があるからいいか」はNGです。
私の場合だと、前の業務経験を活かせるかな?と思って同業界に入社したことがありましたが、文化が昭和すぎて、例えば
・紙ハンコ文化どころかFAXまで当たり前
・長時間労働そのものを美徳(一応、閑散期など定時で帰してくれることもありましたが)
・罵声や怒鳴り声で部下を押さえつける
など学校か運動部そのものでしたし、結局入社してから1年で辞めてしまいましたから、何のために「経験を生かして」入社したのか疑問な次第です。
そもそも長く働けるのが目的だよね?
そして何より、長く働けるのが目的だよね?という話です。
仕事を選ぶ際、業界とか職種どうしよう?と選びがちだと思いますが、それだと手段と目的が逆転してしまうわけですね。
ですから手順が逆で、まず自分が「どう働きたいか」を決めてから、そのために行く必要のある業界とか職種を決めるべきです。
というより、先に業界云々を決めようとすると、(経験した業界は別ですが)前述のように実情が分からないわけですから業界を決めようがありませんし、「自己分析」にも手間取るので、いつまでも「何がしたいか分からない」という状態に陥るわけですね。
キャリア官僚とか大手企業に入社できたからといって必ずしも幸せに過ごせるわけではないのと同じで、「何をやるか」ばかりに縛られると、結局またすぐに退職して転職活動する羽目になりかねません。
特に、ただ時間が無駄になるだけではなくて、転職に有利な条件である若さも時間とともに無くなりますから、尚更気を付けるべきですね。
最後に:「何がしたい」ではなく、「どう働きたい」かを
以上のことから、もし次の仕事は何をしたいか分からない場合、働き方を重視して仕事を選ぶべきだと言えます。
例えば、
・スーツ出勤は嫌
・フルでなくても構わないからリモートがいい
・土日祝日休みがいい
というように、入社しなくても分かる面を重視して選ぶべきです。
逆に、大学の就活とか中高生時代でも「将来の夢は?」とか「何になりたいの?」などと散々聞かれてきたと思いますが、まず現時点で言われても分かるはずがない上、実際にイメージとのギャップもありますからね。
ところが「どう働きたいか」を重視すれば、まず入社しなくてもすぐに想像できる面である上、何より入社する目的に即した仕事の選び方ができます。
そこで、目的を達成するための手段として初めて「どんな仕事がしたいか」が来るわけです。
したがって、明確に何がしたいかが見つからないのであれば、まずは「どう働きたいか」をゴールに置いてから逆算して考えることをお勧めします。
それでは、今回は以上です。